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小西 瑞穂


小西 瑞穂(こにし みずほ:応用心理学部 健康・スポ-ツ心理学科)
主な担当授業:発達心理学、教育心理学、健康心理カウンセリング、コミュニケーションの心理学
専門:健康心理学、臨床心理学

心の持ちようで気分は良くなる?

なんだか元気がなくて、気持ちが晴れない。原因がはっきりあってもなくても、このような経験をしたことがあると思います。専門用語では「抑うつ気分」などと言われます。
心理療法の1つである認知行動療法では物事の捉え方や行動に焦点を当て、捉え方や行動を変えることで抑うつ気分を良くさせようとする方法があり、その効果は科学的に明らかになっています。まさに「心の持ちようで気分が変わる」と言えるかもしれませんね。

一方、気分を良くする方法は「心の持ちよう」だけではないことも知られています。これから、4つのポイントを紹介します。

① 生活リズムを整える
夜にしっかり寝て、朝に起き、昼間は活動する。基本的なことですが、忙しい日々の中では後回しになりがちなことでもあります。まずは睡眠を毎日しっかりとる、決まった時間に3食食べるということから始めてみてください。

② 運動する
運動というと、ハードなものを思い浮かべがちですが、散歩をする、自転車に乗る、軽いジョギングをする、といった日常生活に取り入れやすい軽い運動でも気分への良い効果が示されています。ぜひ日常生活の中に運動を取り入れましょう。

③ 日光を浴びる
目に朝の強い太陽の光を入れることで、幸せホルモンと俗に言われるセロトニンという脳内物質がたくさん分泌されます。セロトニンはやる気も出してくれる物質です。特に、午前9時までの強い光の太陽光を浴びることをお勧めします。また、セロトニンが分泌された15時間後に眠気をもたらすメラトニンが分泌されます。朝起きたらすぐにカーテンを開け、さらに朝にお散歩などの軽い運動をすると気分も良くなるし、生活リズムも整うということですね!

④ バランスの良い食事をとる
加工食品や飽和脂肪酸(動物性の油脂)、白いお砂糖を中心とした食事よりも、果物、野菜、魚、赤身肉を中心とした食事のほうがうつ症状が少なくなることが報告されています。小麦や米などの穀物を主食として、野菜や豆類、魚介類を多く食べる地中海式食事や和食が抑うつ気分を低下させるものとして注目されています。また、忙しくて朝食を抜くという方もおられますが、朝食をとっている人はとっていない人よりもうつ症状が少ないという研究結果もあります。ぜひ3食バランスの良い食事をとるよう心掛けることから始めましょう。

このように、気分が良くなる方法を①~④まで挙げましたが、基本的な暮らしを毎日送ることが抑うつ気分を減らすことに繋がるということですね。ぜひ、なんだか最近気分が冴えないな、という時にはご自身の生活を振り返ってみてください。乱れているところを見つけて治すと、自然と気分も良くなるはずです。
なお、それでも抑うつ気分が続く、抑うつ気分がひどくてつらい場合は、医療機関を受診する必要があります。その場合、薬物療法によって症状を和らげる方法が選択されることもあります。うつ病との診断を受ける場合もありますが、うつ病は誰でも罹りますし、適切な治療を受けると治る病気です。「心の持ちよう」とだけ思いこまずに、医療の力を借りることも大切です。

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