沢宮 容子
沢宮 容子(さわみや ようこ:応用心理学部 臨床心理学科)
主な担当授業:公認心理師の職責、臨床心理学特論Ⅱ
専門:臨床心理学、カウンセリング心理学
主な担当授業:公認心理師の職責、臨床心理学特論Ⅱ
専門:臨床心理学、カウンセリング心理学
ページ内目次
マザー・テレサの言葉から
マザー・テレサの言葉
「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。」
マザー・テレサが口にしたとされる言葉です。
マザー・テレサは、貧困者や孤児、病人に対する奉仕活動で知られる、カトリック教会の修道女でした。彼女の慈愛と奉仕の精神は世界中の人々に感銘を与え、ノーベル平和賞を受賞しました。
マザー・テレサの言葉は、私の専門である認知行動療法に通じるものがあるように思います。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。」
マザー・テレサが口にしたとされる言葉です。
マザー・テレサは、貧困者や孤児、病人に対する奉仕活動で知られる、カトリック教会の修道女でした。彼女の慈愛と奉仕の精神は世界中の人々に感銘を与え、ノーベル平和賞を受賞しました。
マザー・テレサの言葉は、私の専門である認知行動療法に通じるものがあるように思います。
認知行動療法との共通点
認知行動療法とは、クライエントのものの考え方(思考)や行動の仕方、感情、身体の状態に注目し、クライエントのかかえる問題を、カウンセラーがクライエントと協力しながら解決を図っていく心理療法です。カウンセラーはクライエントと二人三脚でカウンセリングを進めていき、最終的には、クライエントが自分自身のカウンセラーとなり、独力で問題解決を図れるようになることをめざします。
マザー・テレサの言葉は、ものの考え方(思考)が行動を左右し、習慣を形成し、ついには運命をも決定づける――人間の考え方というのがいかに重要であるかを示したものであり、そこが認知行動療法と共通すると思うのです。
つまり、「思考を変えれば、言葉は変わる。言葉が変われば、行動は変わる。行動が変われば、習慣は変わる。習慣が変われば、性格は変わる。性格が変われば、運命は変わる」。そういうことです。
マザー・テレサの言葉は、ものの考え方(思考)が行動を左右し、習慣を形成し、ついには運命をも決定づける――人間の考え方というのがいかに重要であるかを示したものであり、そこが認知行動療法と共通すると思うのです。
つまり、「思考を変えれば、言葉は変わる。言葉が変われば、行動は変わる。行動が変われば、習慣は変わる。習慣が変われば、性格は変わる。性格が変われば、運命は変わる」。そういうことです。
不安を軽くするには?
完璧に話せなくてはいけない!?
私は、もともと不安や緊張が高い人間でした。社交的ではないし、人前で話したり、発表したりすることも、大の苦手でした。最初に心理学の授業で教壇に立った時には、前から2、3列目までの学生としか、視線を合わせられなかったくらいです。
でも、「完璧に話せなくてはいけない!」という考え方を、「完璧でなくてもいいから、とにかくベストを尽くせばいい」という考え方に修正し、さらにコミュニケーションやプレゼンテーションの行動スキルを身につけることによって、少しずつうまく話せるようになりました。マザー・テレサの言葉を借りれば、自分自身の「習慣」や「性格」、そして「運命」が変わっていったように思います。
でも、「完璧に話せなくてはいけない!」という考え方を、「完璧でなくてもいいから、とにかくベストを尽くせばいい」という考え方に修正し、さらにコミュニケーションやプレゼンテーションの行動スキルを身につけることによって、少しずつうまく話せるようになりました。マザー・テレサの言葉を借りれば、自分自身の「習慣」や「性格」、そして「運命」が変わっていったように思います。
不安を軽くするには?
また、私はマインドフルネス(mindfulness)という方法によっても、不安を軽減することができるようになっています。マインドフルネスとは、“今、ここ”で起こっている現実に“気づき”を向け、その現実を“あるがまま”に知覚すること、そして“ものの考え方”や“感情”にはとらわれないこと、を意味しています。第三世代の認知行動療法として注目を浴びているアプローチです。
たとえば、私が作業をしていて、「うまくいくかなあ」という心のつぶやき(ものの考え方)が起こり、不安(感情)が頭をもたげてきたとします。そのとき、その考え方や感情に反応せず、もとの作業自体やそれに伴う身体感覚、呼吸などに注意や集中を戻していきます。すると、あら不思議、どんなに強い考えや感情であっても、それ以上発展することはなく、消えていくのです。
考え方を変えることによって不安を軽減するのも、考え方や不安から距離をとり、それが心の中の一過性の出来事にすぎないことに気づくことによって不安を軽減するのも、同じ認知行動療法です。
たとえば、私が作業をしていて、「うまくいくかなあ」という心のつぶやき(ものの考え方)が起こり、不安(感情)が頭をもたげてきたとします。そのとき、その考え方や感情に反応せず、もとの作業自体やそれに伴う身体感覚、呼吸などに注意や集中を戻していきます。すると、あら不思議、どんなに強い考えや感情であっても、それ以上発展することはなく、消えていくのです。
考え方を変えることによって不安を軽減するのも、考え方や不安から距離をとり、それが心の中の一過性の出来事にすぎないことに気づくことによって不安を軽減するのも、同じ認知行動療法です。
クライエントの健康を願って
悩んだり、困ったりしているクライエントの役に立つには、どうしたらよいだろうか。認知行動療法を、どう用いたらよいだろうか。クライエントがより健康になるためには、どうしたらよいだろうか。もっとよいアプローチはないだろうか。
そんなことを考えながら、私は臨床心理学の研究を続けています。
そんなことを考えながら、私は臨床心理学の研究を続けています。