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別府 さおり


別府さおり(べっぷ さおり:応用心理学部 臨床心理学科)
主な担当授業:心理教育指導法(知的障害)
専門:障害児の心理と教育、心理検査

障害のある子どもの「プランニング」

「プランニング」とは?

私たちは、日常生活において、「これから何をするか、何をしたいか」をイメージします。 そしてそれを目標とし、どうしたらその目標に到達できるか、現状を把握し、方法を考え、結果を予想します。さらに、実際の行動に移し、その結果を得ます。うまくいかなかった場合には特に、目標や方法、予想した結果を検討し直します。私たちは、意識する、しないに関わらず、日常的にこれらのことを繰り返しているのです。この一連のプロセスのことを、神経心理学的研究に基づいた概念で「プランニング」といいます。

研究テーマ「障害のある子どものプランニング」

障害のある子どもたちの中には、この「プランニング」に困難を示すケースがあります。
では、プロセスのどこに困難があるのか?その困難は、どのような支援をすれば軽減できるのか?これらのことを、ゲームのような実験的課題を用いて研究しました。

研究結果を支援につなげる

その結果、十分に方法を検討し結果を予想することは苦手だけれど、後から修正することは得意で、最終的に目標を達成できる子どもたちがいることがわかりました。
そこで、はじめに一緒に計画を立てたり、得意な修正を意識的に行うように促したりすることで、「プランニング」がうまくいくことを提案しました。

その先へ!

「プランニング」には、意欲や意志、「あれがしたい」「こうなりたい」といったことが関わっています。
私の研究で言えば、子どもたちは「課題(ゲーム)をクリアしたい!」と思ってくれたようです。でも、日常の中では、意欲を失いがちな子どもたちもいます。
“子どもたちが、意欲や意志をもつためには?”このことも含めた「プランニング」の研究に、今後取り組んでいけたらと思っています。

「心理検査で何がわかるの?」という疑問から心理学を考えてみる

心理検査の目的

心理検査(性格検査、知能検査など)は、個人の性格特性や、強みと弱みなど様々な情報を 得るために行われます。治療教育をはじめとして、特に援助を必要とする人々がより良く生活するために、また、企業の人材育成などに活用されます。

取扱注意!

ところで、知能検査の得点が低かったら、その人のすべてが “低く” “遅れていて” “劣っている” のでしょうか?
性格検査で正常値から外れていたら、その人は “治さなければいけないところのある” “困った” 人なのでしょうか?
当事者の方と実際に関わると、これらの問いの答えが得られるでしょう。

「私って、〇〇だから。」

心理学を学んだり、心理検査で何らかの結果が示されたりすると、そのことを自分や他者に当てはめてみたくなります(笑)。自分や他者のことを心理学の概念で説明できると、何か理解できたような、スッキリした気持ちになりますね。
自己理解や他者理解を深めることは、とても大事なことであります。
では、自分のことを、心理学の概念だけで説明してみてください。
おそらく、かなり難しいのではないかと思います。人間は、心理学の概念で説明しきれるほど、単純ではないからです。
しかし、下手をすると、「私ってこういう人だから。」という“枠”に縛られ、抜け出せなくなってしまいます。他者についても同じことが言えるでしょう。

心理学に、チャレンジ!

学問としての心理学や、客観的なデータをベースにした心理検査を、本当に“人”のために生かすには、何が必要なんだろう?
疑問は尽きません。心理学は奥深く、これからまだまだ発展する、チャレンジしがいのある学問だと感じています。
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