関谷 大輝
関谷 大輝(せきや だいき:応用心理学部 健康・スポーツ心理学科)
主な担当授業:一般心理学、福祉心理学人門
専門:臨床社会心理学、感情心理学、福祉心理学
主な担当授業:一般心理学、福祉心理学人門
専門:臨床社会心理学、感情心理学、福祉心理学
心はイラッと、でも顔は笑顔で ~「感情労働」の研究~
その笑顔、ホンモノですか?
皆さんはアルバイトをしていますか?今は「校則でバイト禁止」という方も、コンビニやカラオケなどで働くアルバイトを見たことがあるはずです。心理学では一般に喜・怒・哀・楽のような心の働きを「感情」と呼びますが、皆さんも経験があるように、感情はほぼ自動的に心の中に生じます。当然、仕事中のアルバイトも、様々な感情を抱くはずですね。では、皆さんが見かけた「笑顔のアルバイト」の、本当の感情はどんなものだったと思いますか?
実は「感情も売り物のひとつ」です
今はアルバイトをしていなくても、「高校卒業したらバイトするぞ」という人は多いでしょう。すると、バイト先でクレーマーのようなお客さんの相手をするかもしれません。そんな時、内心はイヤな感情を抱いていても、笑顔で「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と言わなければいけない…一般にサービス業と言われる仕事の多くは、このように、仕事の中で感情をコントロ ールすることが不可欠だと言われています。例えば、店員さんはもちろん、営業マン、看護師さん、学校の先生なども、このような仕事に当てはまります。つまり、これらの職業では、感情が売り物(サービス)の一部になっていて、感情を無理に抑え込んだり、 作り出したりしなければいけないのです。 実は、これは働く人にとって大きなストレスになります。 このような仕事は、近年「感情労働」と呼ばれています。
感情労働のストレスを減らせ!
誰しも、「イラッと」したり「ウザっ」と思ったりすることはあります。でも、仕事中にそれを全て「ありのままに」表に出すわけにはいきません。つまり、皆さんが見た「笑顔のアルバイト」は、笑顔を「無理やり作り出していた」かもしれないのです。 世の中のサービス業の人たちは、実は頑張って感情をコントロールしながらストレスと闘っています。ですので、どうか、店員さんには(もちろん学校の先生にも!)優しく接してあげてくださいね。
私自身も、これまで(現在も)感情労働を経験しています。と同時に、感情労働のストレスや悪影響の予防法を心理学の視点から研究することが、私の研究テーマの中心になっています。
私自身も、これまで(現在も)感情労働を経験しています。と同時に、感情労働のストレスや悪影響の予防法を心理学の視点から研究することが、私の研究テーマの中心になっています。
温泉は“心”なり!? ~「温泉心理学」への挑戦~
温泉は好きですか?
日本人には、温泉好きな人が多いですね。テレビでも、毎週のように旅番組などで各地の温泉が紹介されています(特に“テレビT京”系が多いです)。 みなさん、「温泉」は好きですか? もちろん、私も温泉は大好きで、「温泉ソムリエ」の資格も取りましたし、機会があればあちこちの温泉を訪ねています。
では、温泉と普通のお風呂の違いは何でしょうか。温泉に対して多くの人が期待するのは、「ストレス解消」効果でしょう。ほかにも、温泉には「効能」と呼ばれる効き目があって、そこには、〇〇病や〇〇症に効くなどと書かれています。このように、温泉には「フツーのお湯」とは違う効果があると考えられています。だから、サラリーマンのお父さんたちは、仕事に疲れたり、忙しかったりすると 「ああ、温泉行きてえなぁ」とつぶやくのです(おそらく、何度も聞いたことがあるセリフだと思います)。
では、温泉と普通のお風呂の違いは何でしょうか。温泉に対して多くの人が期待するのは、「ストレス解消」効果でしょう。ほかにも、温泉には「効能」と呼ばれる効き目があって、そこには、〇〇病や〇〇症に効くなどと書かれています。このように、温泉には「フツーのお湯」とは違う効果があると考えられています。だから、サラリーマンのお父さんたちは、仕事に疲れたり、忙しかったりすると 「ああ、温泉行きてえなぁ」とつぶやくのです(おそらく、何度も聞いたことがあるセリフだと思います)。
そもそも、温泉の「効果」って?
しかし、温泉といっても、実際は 「少しだけいろいろな成分が混ざったお湯」に過ぎません。
そう、温泉は薬品ではないのです。浸かっただけで、急に健康になったり、病気が治ったり、美人になったり(!)…することはないはずなのです(私は温泉で美人に変身したという人がいたら教えてください)。 では、なぜ「ハッキリした効果」がよく分からないのに、人は温泉に行きたがるのでしょう?なぜ温泉に入ると(気のせいかもしれないけど)「ああ、すべすべ~」と言ってみたり、(説明はできないけれど)「やっぱ温泉は違うよね~」なんてつぶやいてみたりしてしまうのでしょう?
そう、温泉は薬品ではないのです。浸かっただけで、急に健康になったり、病気が治ったり、美人になったり(!)…することはないはずなのです(私は温泉で美人に変身したという人がいたら教えてください)。 では、なぜ「ハッキリした効果」がよく分からないのに、人は温泉に行きたがるのでしょう?なぜ温泉に入ると(気のせいかもしれないけど)「ああ、すべすべ~」と言ってみたり、(説明はできないけれど)「やっぱ温泉は違うよね~」なんてつぶやいてみたりしてしまうのでしょう?
温泉も「心理学」できる!
私たちが「温泉の効果」と普段信じていることは、「気のせい」という部分を含めて、実はその多くが「ココロの働き」ということができるのではないでしょうか。ということは、そう、「心理学」の出番です。私は昨年から、人が温泉に期待することや、温泉の効果などについて、心理学の視点から調べ始めました。心理学には、「観光心理学」という領域がありますが、温泉を愛する私は、もっと温泉に特化した「温泉心理学」を、日本で…いや、世界で初めて提唱します!冗談ではなく本気です!しっかりと、学問的、客観的、科学的に、温泉に対する人々の心理について、これから研究していきます。