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先生に聞く─東京成徳の研究紹介─ 永井優美准教授


本記事は、東京成徳学園広報誌「TOKYO SEITOKU NOW」との連動企画です。
広報誌に掲載した誌面も、ぜひあわせてご覧ください(誌面は【こちら】)。

永井 優美 准教授

永井 優美 准教授

今回「東京成徳の研究紹介」としてご紹介するのは、東京成徳短期大学幼児教育科の准教授 永井 優美(ながい ゆみ)先生です。

永井先生は、近代日本における保育カリキュラム実践と保育者養成に関する比較教育史的研究をしています。

経歴等について

博士論文を風間書房から2016年に出版

博士論文を風間書房から2016年に出版

石川県の高校を卒業後、東京学芸大学教育学部に入学、生涯学習課程学習社会文化を専攻しました。

学部卒業後、同大大学院に進学し、修士課程の教育学研究科、博士課程の連合学校教育学研究科を修了、博士(教育学)を取得しました。

大学院在学中から学位取得後にわたり、日本学術振興会特別研究員として研究に従事し、2014年に東京成徳短期大学幼児教育科の准教授として着任しました。

今現在、取り組まれていることは?(研究など)

これまで戦前日本における保育者養成や保育実践の歴史的研究を進めてきました。

私が事例として扱ってきたキリスト教系保育は、アメリカ人の女性宣教師によって、当時は珍しい専門性の高い保育者養成が行われていました。その特徴の一つに、学生たちが将来、自ら保育実践を充実させることができるよう研究力を育成する、というものがありました。宣教師たちは常に研究に励み、その成果を養成に還元していたわけです。

私自身、女性宣教師たちから感化され、使命感をもって保育者養成に携わっています。私にとっては、「研究すなわち教育」です。とりわけ、保育の技術だけではなく、その理念や精神を学ぶことで、学生たちが自ら実践を創出することができる保育者となることを願って、私も日々教育を行っています。

その研究に興味を持ったきっかけは?

共著:大正新教育・幼児教育史関係の研究

共著:大正新教育・幼児教育史関係の研究

一人ひとりの人間が幸せになるために自分の力を注ぎたいという漠然とした思いで将来を模索し、精神の豊かさが重要であることに気づいた時、教育こそがそれをサポートするものであるとの考えに至り大学院に進学しました。恩師と出会い、その恩師が幼児教育に目を開かせてくれました。その時から私は全身全霊で保育者の専門性に関する研究に打ち込んできました。

戦前の保育者は、一般的には単なる子守りと認識され、誰でもなることができる職業であると考えられていました。簡単な実習と保育の方法を習得しただけの保育者による保育実践は、保育の理念や精神が抜け落ちた形骸的なものになってしまいました。私はここに強い疑問を持ち、保育者の専門性とはいかにあるべきかというテーマを設定し、研究を行ってきました。さらに、そこから発展し、保育実践史に関する研究も行ってきました。それは保育者がカリキュラム開発の主体であるという意識を持ち、自己の実践を創出する力量の形成に関心を持っているからです。

決められた実践を繰り返すのではなく、自ら子どもを理解し、環境を構成し、日々保育実践をつくっていくことができる保育者をいかに育成することができるのか、今後も保育者の専門性を追求していきたいと考えています。

学生時代のことを教えてください

高校では合唱部に所属していました。受験そっちのけで打ち込み、3年生の秋の全国大会で銀賞を取ったことはずっと思い出に残っています。
当時はこれと決めた目の前のことに、ただただ全力を注ぐという日々でした。少し機械的だったかもしれません。そのため、大学に入り、全ては自分の思うがままとなった時に、行き詰まる経験をすることもありました。

大学2年生の時に何か足りないと思い、一念発起してニュージーランドに1ヶ月の語学留学に行き、そこで確固たる信仰(中学生の時、牧師である叔父から受洗しすでにクリスチャンでしたが)と人生の目的を見出し帰国。その後は、自分の生き方を自分で決めるということの意味がよくわかるようになりました。

大学ではダンスサークルとキリスト教系の国際交流サークル(大学公認)に所属し、学部生の時はサークル中心の生活でした。ダンスサークルの仲間でチームを作り発表を行い、国際交流サークルではアメリカ、台湾、シンガポールなど各国の友達と交流しました。石川県出身でしたので、上京し、大学の学生寮に住んでいましたが、国際学生寮の時には、モンゴル、中国出身の学生とルームシェアをし、伝統料理などをふるまってもらうこともありました(私は料理が苦手なので、特にお返しできませんでしたが)。

大学院からは研究活動に明け暮れていましたが、研究に全てのエネルギーと時間を注ぎ、没頭できたのも恩師の指導があったからこそと思っています。

学部、大学院ともに、人に恵まれたと心から感謝しているところです。

研究や教育外ではどのように過ごしていますか?

3歳の娘を育てています。保育の研究をして保育者を養成していますが、子育ては非常に大変かつ想像以上におもしろいものでした。子どもと一緒に過ごせる時間はとても短く、今しかないこの宝物のようなひととき。ただただ貴重な時間をいかに大切に過ごすかが毎日の課題です。

一方で、その合間にいかに研究を詰め込むか、これが最大の課題です。研究を中断するわけにはいかないけれども、子どもの成長は待ってくれない。いわゆる両立というのは難しいと知りました。

昨今、「タイパ」や「段取り」、「効率」など、そういった言葉が溢れていますが、子育ても研究も最もそれらからは遠いもの。機械的な作業ではないので効率を意識した時点で質が下がる、そのようなことを毎日考えて過ごしています。

今後の目標を教えてください

保育実践は保育者にかかっています。自己の研究成果をたよりに質の高い保育者を育成することで、子どもたちの真の笑顔を守り、この社会の一人ひとりが喜びに溢れる毎日を過ごすことができるよう願って、研究および教育に邁進し、何よりそれを継続していくことが重要であると考えています。

まずは目の前の一人ひとりの存在を大切にし、学生に寄り添って、学生がより充実した大学生活を送ることができるようサポートしていきたいと考えています。

記事をご覧の方へメッセージをお願いします

撮影場所:永井先生の研究室

撮影場所:永井先生の研究室

本学は自由で明るい雰囲気のある大学です。
アットホームで先生方は優しく、ここで得た友達は一生の友達です。早く保育現場に入って子どもたちと関わりたいと思っている方は、2年で夢を実現することができます。2年間で大事なことを全て学ぶので、少し大変かもしれません。でも、短期集中で全力投球できる方には最適であると思います。

2年間でしっかりと保育の理念と方法を学べる場所は少ない中、本学の教育の質は非常に高いので、プロの保育者としての基礎を培うにはとても良い環境であると思います。

私自身の経験から、若い時にがむしゃらにがんばることは、その後の自分にとってとても良いことと、私は考えています。
ぜひ本学で仲間と共に青春を謳歌しつつ、自分の夢の実現のためにがんばってみてください。

皆さま、いかがでしたか?
記事をご覧になって、東京成徳の研究やその研究者である先生のことについて、理解ができたり、少しでも身近に感じたりしていただけたら、うれしいです。

また、もしこの記事を読んで、先生の研究や先生、大学のことに興味を持った高校生や受験生がいらっしゃったら、ぜひオープンキャンパスや学校見学にお越しください。
皆さまのご来校をお待ちしています。
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