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学長短信

2017/03/17

平成28年度卒業式 学長告辞  №248

平成29年3月16日「平成28年度卒業式・学位記授与式」がメルパルクホールで行われました。
学長告示の全文を掲載します。 


28年度卒業式 学長告辞   
本日、東京成徳大学を卒業することになりました4学部、8学科、合計409名の皆さん、
ご卒業、おめでとうございます。
保護者の方々におかれましても、お子様のこの晴れの日を、格別な思いで迎えられたことと思います。
長年のご苦労に敬意を表するとともに、心よりおめでとうございます、と申し上げさせていただきます。

また、ご来賓の方々には、ご多忙のなか、式典にご臨席いただき、こころより、感謝、申し上げます。
さて、卒業生諸君、
20年あまりにわたる居心地の良かった繭からいよいよ飛び出す日がやってきました。
「有徳有為」を基本理念とする学校法人・東京成徳学園
そして、「共生とコミュニケーション」を教育理念にかかげる東京成徳大学での学びは充実したものであったでしょうか?
これから諸君が活躍する日本の社会は、少なくとも、物質的には、かつてのような右肩あがりの成長社会ではなく、もはや成長とは無縁であるかのような成熟したものになりつつあります。
【成熟社会】を定義した人がいます。
「量的拡大のみを追求する経済成長が終息に向かう中で,精神的豊かさや生活の質の向上を重視する,平和で自由な社会。 〔イギリスの物理学者ガボールの署名から〕」
となります。
Win-winの関係で、努力をすれば誰もが拡大一方のパイをそれなりに分け合って物質的に豊かになれる時代は、少なくとも日本では、終わりをつげたと思います。
司馬遼太郎氏も、こんなことを言っています。
「日本のいわゆる発展は終わりでしょう。
あとはよき停滞、美しき停滞ができるかどうかです。」
諸君がこれから長い人生を営んでいくことになる日本の社会の変化は、それがどんなものか、まずは現実をしっかりと見据えることが必要です。
●グローバル化がすみます
たとえば、
・海外に在留する邦人(日本人)の総数は、130万人。
・一方、在留外国人数は223万人
いずれも過去最高です。

●情報活用の超高度化がすみます
たとえば、
ビッグデータの活用と人工知能です。
人工知能の市場、現在3兆円、それが15年後には、87兆円規模になるとの推計もあります。
●少子高齢化がすすみます
たとえば、
・出生率が初めて100万人をわりました。
・一方、百寿者の数は、6万人を超え、急カーブで増加しています。
「グローバル化」「情報活用の超高度化」そして「少子高齢化」がもたらすこれからの社会変化のなかで「美しい停滞」をいかに一人一人の生活と社会全体の中に作りこんでいくかが、これから社会にとび出ていく卒業生諸君の大きな課題になります。
こんなことを心がけこれからの成熟社会で活躍してくださいということを3つほど申し上げてみたいと思います。
一つは、心の豊さ、成長を心がけてください。
鍵になるのは、対人関係、あなたの周りの人々との交流です。
これに関して毎年、卒業生諸君におすすめしていることがあります。
それは、「ほンわかあ」一日10回の習慣づけです。
ほめる

笑う
感謝する
挨拶する
頭文字をとって「ほンわかあ」。これを一日10回を習慣づけてください。
とても簡単なことですが、家族、仲間、先輩、上司との関係を良好なものにすることにとても有効です。
2つ目は、心の豊かさに深く関係しますが、仕事以外のもう一つ世界を作る努力をしてください。
ボランティアでもよし
趣味でもよし
家族でもよし です
心の癒しにもなります。心の励みにもつながります。心の豊かさにもなります。
3つ目は、そしてこれこそ本筋ですが、仕事を辛抱強く頑張ってください・
新卒3年で3割がやめたり転職したりという現実は、やや心配です。
仕事は、勉強以上につらいところもあります。とりわけ、慣れるまでは。
しかし、5年頑張れば、はじめのつらさは、過去の夢物語になるかもしれません。
やりたいこと
憧れの仕事ができたらいうことなしです。
さらに、なんらかの使命感に駆り立てられた仕事ができたらいうことなしです。
でも、こんなことを言う人もいます。
「やりたいことや憧れの仕事に振り回されて、
現状に不満を感じたり、暗い気持ちで毎日を過ごすよりは、
やるべきことを一生懸命やるほうが、
はるかに充実感が得られるのではないでしょうか。
(小池龍之介)。」
あるいは、哲学者ニーチェの言葉も示唆にとみますので紹介しておきます。
「自分の職業に専念することは、よけいな事柄を考えないようにさせてくれるものだ。人生や生活上の憂いに襲われたとき、慣れた職業に没頭することによって、現実問題がもたらす圧迫や心配事からそっぽを向いて引きこもることができる。」([人間的な、あまりに人間的な」より}超訳 ニーチェの言葉」(Discover)
生活のために仕事をしなければならないことのほうが多いのが現実です。
でも、その生活のための仕事が、あなたを救うこともあります。
ふとしたきっかけから、
あるいは
その仕事に慣れていくうちに、
その仕事が好きになったり、使命感が生まれたりということもあります。
つらくとも、つまらなくとも、大変でも、5年間は頑張ってみてください。
では、「美しい停滞を求める」日本の社会のなかで、諸君のこれからの活躍を祈念して、学長告辞とさせていただきます。
頑張ってください。

平成29年3月16日
東京成徳大学学長 海保博之

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