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国際学のすすめ

2018/12/06

2. 平和学を学ぶ ―素朴な平和論を超えて― (岡本 和彦)

 誰しも戦争のない平和な世の中を望んでいます。それでも争いは絶えません。「みんな仲良く」という素朴な平和の願いだけでは、平和を実現することはできないのです。「話し合って問題を解決すればよい」と簡単に言うかもしれません。ですが総論賛成・各論反対が現実であり、全体としては「みんな仲良く平和な世界」を願っていても、個別具体的な問題を巡っては譲ることができずに決裂し、武力衝突などに至るのです。「武器がなくなればいい」、「独裁者がいなくなればいい」と考えるかもしれません。でも、武器がなくても他者を抑圧することはありえますし、たとえ善人ばかりの世界であっても社会的なトラブルは生じえます。武器のない、戦争のない状態が即平和を意味するとは限らないのです。たとえ目に見える暴力がなくとも、抑圧され搾取される構造的な力関係が働いているところには平和はありません。また、「テロとの戦い」に象徴されるように、私たちはもう傍観者ではいられない世界に生きています。私たち自身が「平和構築」のために積極的に関与していくことが求められています。「安全保障のジレンマ」を理解し、「人間の安全保障」という視点を重視して、「平和構築」の必要性を認識すること、この3つの点から私たちが生きる現代世界が抱える構造的な問題を現実的にとらえ、それに対してどのような対応策をとることが必要なのか考えることが大切です。



(岡本 和彦 教授)

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