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2017/08/06

金沢文庫にゆく◇特別展「元曉法師」見学会 8月5日


武家の古都、鎌倉から東へ山をこえ、海辺にちかづくあたり、小高い丘を背にした称名寺(しょうみょうじ)の境内がひろがっています。鎌倉幕府の執権、北条氏ゆかりの文化財とともに、北条実時(ほうじょう さねとき)が創設した金沢文庫の蔵書もここに伝わりました。

近代になって金沢文庫は神奈川県の施設として復興し(1930年)、日本中世の歴史博物館となって公開されています。古代朝鮮の仏教をテーマとする特別展が開催されている機会に、8月5日(土)午後、東京成徳大学公開講座の受講生を中心に見学会をひらきました。新羅が百済や高句麗をほろぼし三国時代をおわらせた7世紀に、新羅に新しい仏教をひろめ多くの著作をあらわした「元曉法師」の展覧会です(会期2017年6月23日-8月20日)。上の写真は、称名寺とその庭園。下の写真は、新装した神奈川県立金沢文庫(1990年)の正面。
 
きわめて特殊なテーマであり、なにせ展示が漢文の「本」ばかりで、入場者数も歴史的にすくないそうですが、見学会には8名のかたが参加してくださいました。さて、鎌倉時代に華厳宗を再興した明恵上人はひろく知られています。栂尾高山寺につたわる『華厳宗祖師縁起』はまた『華厳縁起』ともよばれますが、これこそ新羅の元曉と義湘が主人公です。もともと『宋高僧伝』の伝記を絵巻にしたてたもので、詞は明恵の手になるとされます。会場には国宝の絵巻の複製が全巻ひろげられ、ふたりの人物像がわかりやすくなっています。ちなみにホンモノは一部が上野の東京国立博物館の国宝室に展示されていました。

元曉の著作は名のみ知られ、ナカミがほとんど伝来していません。そのわずかな断片が金沢文庫の本の山のなかから見つかった、というのがこのたびの展示企画のきっかけというのですが、それは回をあらためて。なお、元曉は「げんぎょう」とも「がんぎょう」ともよみます。現代朝鮮語(韓国語)では「ウォニョ」がちかいかな。金沢文庫の金沢は地名で、もと「かなさわ」と清音だったようですが、現在は横浜市「かなざわ」区に属しています。

写真の三枚目は、金沢文庫の建物の正面にかかる展覧会の「幡」のようなもの。写真はいづれも7月17日に下見のさい撮影しました。
(大井 剛)
 

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