留学からつながる学び(1)「留学後ゼミナール(英語圏)」
2024年11月26日
担当教員:地引 優香助教
国際学部の学生は約1年間の留学から帰国した2年次後期に「留学後ゼミナール」を履修します。この授業では英語圏と韓国に分かれて留学の振り返りを行います。
担当教員:地引 優香助教
国際学部の学生は約1年間の留学から帰国した2年次後期に「留学後ゼミナール」を履修します。この授業では英語圏と韓国に分かれて留学の振り返りを行います。
異文化体験とリエントリーショック
留学生活を通じて異文化に触れることは、新しい視点を得ることに加え、自国の文化についても異なる角度から考える機会となります。一方、約1年間の海外留学を終えて日本に帰国すると自国の馴染みのあるはずの文化や社会に違和感を覚えることがあります。このような現象は「リエントリー(帰国後)ショック」や「逆カルチャーショック」と呼ばれ、「W字型曲線モデル」として図式化することができます。学生たちは、このW字型曲線モデルとリエントリーショックについて学んだ後、帰国後から今までの自分の様子を工作用モールを使って表現し、ポジティブに感じたことやネガティブに感じたことを同じクラスの友人たちと共有しました。この活動を通じて、留学体験を振り返りながら自分の感情や学びを客観的に捉えると同時に、同様の経験を持つクラスメートと共有することで、互いの気づきを深めることもできました。
ディスカッションを通じた学びと経験の共有
「留学後ゼミナール」は、ディスカッションやグループワークを中心に進められ、学生たちは対話を通じて互いの留学体験を深掘りしていきます。留学報告プレゼンテーションでは、異なる留学先が混在するグループに分かれ、それぞれの生活や学びについてパワーポイントを用いて発表しました。この活動では、体験を他者に伝える力を培うと同時に、良い聴き手であることも重視されます。
質疑応答の時間を活用し、学生たちは自身の経験との共通点や相違点を意識しながらコメントを交わしました。これにより、クラス全体での活発な意見交換が行われ、異なる視点から学びを深める機会となりました。
質疑応答の時間を活用し、学生たちは自身の経験との共通点や相違点を意識しながらコメントを交わしました。これにより、クラス全体での活発な意見交換が行われ、異なる視点から学びを深める機会となりました。
グループ活動で協働力を養う
この授業では、協働する力を養うことも重視しています。その一例として、留学先をテーマとした英語の絵本作成課題に取り組んでいます。まず、学生たちは各自で様々な絵本を読み、テーマや物語構成を分析しました。その後、グループごとにブレインストーミングを行い、自分たちの絵本のテーマやストーリー、登場キャラクターを決定していきます。このプロセスでは「何を伝えたいのか」「どうしてそれを伝えたいのか」を深く考えることが求められます。グループ活動は、個人作業とは異なり、多様な意見や視点をまとめる難しさがあります。たとえ同じ留学先を経験した学生たちでも、それぞれの体験や感じ方には違いがあります。しかし、一つの物語を完成させるためには、多様な意見や視点を尊重し、協力し合う姿勢が必要です。こうした経験を通じて培われる協働する力は、大学生活に限らず、将来の社会やキャリアで求められる重要なスキルとなると考えています。
留学はゴールではなく、新たな視点を得て未来へ進むための大切な一歩です。国際学部では、「留学後ゼミナール」のほか、語学や専門科目など多彩なカリキュラムを通じて、学生が留学で得た経験をその後の学びや成長につなげられるよう支援しています。
(国際学部)
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