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専門科目紹介:「英米文学研究」―声に出して詠みたい英定型詩―


2022年11月12日

「水仙」第1スタンザ

「水仙」第1スタンザ

この授業では、小説の他に定型詩を1篇だけ取り上げ、作品の解説や分析等を経てから最後に暗唱してもらっています。先に作者の生い立ちや作者の詩の技法、更にはその詩が作られた背景・経緯などを学んで内容理解に役立てますが、いろいろとわかってくると感情移入もできるので、暗唱するための作業としても大切です。ここ2年はワーズワースの「水仙」を扱いました。

ワーズワースはイギリス・ロマン派の最も優れた自然詩人です。イギリスの児童・生徒たちがどこかの段階で必ず学び、朗読し、「韻を踏む」ことを理解するために最適と言えるこの詩は、ABABCCとわかりやすく綺麗な脚韻が踏まれ、音読する際も弱強弱強…と「弱強四歩格」のリズムに乗れば自然と次のフレーズに移れるようにできています。

一生懸命覚えてきたのに、教室の前に立って暗唱する時には緊張のあまり度忘れしてどうしてもメモを見ることになってしまったり、つっかえてリズムが狂い、そのスタンザ(連)の最初からやり直したりする学生も時々いますが、後から「あれは楽しかった」などと言われます。
体で覚えたものはなかなか忘れません。そらで口ずさめるようになって初めて情景が浮かぶこともあるでしょう。声に出してみるということを何度か繰り返すと、一面に黄色く輝く水仙の素敵な風景が見えてきませんか。また、あまりにも有名なこの詩の名訳はいくつもありますが、訳した時点で訳者の解釈の仕方が反映されることになり、本来の詩が持つ柔らかさや包容力を表現できません。最終的にはオリジナルの英語のまま感じてほしいと思います。

湖水地方の水仙

湖水地方の水仙

(国際学科 江澤恭子)
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