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授業紹介:成徳の心理学「パフォーマンス心理学とは何か」(茂呂 雄二教授)


2024年6月19日
臨床心理学科1年生対象の「成徳の心理学」は、臨床心理学科の教員によるオムニバス形式で行われる授業です。新入生にどんな教員がいるのか、どんな研究をしているのかを知ってもらう授業です。

私が担当した回では、私自身の最近の研究テーマ「パフォーマンス心理学」について話しをしました。この心理学は子どもだけではなく大人も含めた人間の発達と学習に関する新しい考え方です。

この考え方では、発達と学習のオープンエンドな性質に着目する考え方です。普通に私たちが思い描く学習では、漢字を覚える英単語を暗記するというように、学習(学び)の内容が事前に設定されています。この場合、学習内容は外から(教師からあるいは親から)設定済みです。しかし現実の生活の中の学習には、やってみてから初めて何を目指しているのか(内容)がわかる場合もあります。心理学では問題解決過程も学習の一つに含めますが、問題解決はほとんどの場合には、内容を事前に明確に知ることはできません。やりながら、何を目指しているのかも含めて作り上げていく必要があります。やってみて初めて何をやっているのかがわかるのがパフォーマンスです。

パフォーマンス心理学は、暗記や記憶などが支配する学習のイメージを変えようとします。オープンエンドな試行錯誤の中で、新しい何かを作っていくプロセスを重視しようという考え方です。

学生の感想

  • パフォーマンス(何かの挑戦)をする際には周りの環境がとても大切だと思いました。高校時代に書道部の部長をやる際に周りの人がサポートしてくれて協力体制だった為挑戦出来た経験があるので改めて環境の重要性を感じました。
  • 昨日予習としてパフォーマンス心理学を調べたときに、「成果や出来栄えのことではなく、自分とは異なる人物に''成る''こと」と書いてありました。私は高校3年間演劇部に所属していて、元々「演じること」や「場面を再現すること」が好きだったので、とても興味深く、どんな心理学なのかワクワクしていました。そして今日、授業を受けて、やはり俳優の活動が典型であると聞きさらに興味を持ちました。
  • 「普段とは違うことをすること」、「今の習慣を変えること」は、多少不安を伴うかもしれません。しかし、パフォーマンスには「エラー(ミス、間違い)がない」と聞いて、安心して行動できると思いました。
  • パフォーマンス心理についてよく分かり、聞いたことがない言葉があったので、自分で調べて復習したいです。パフォーマンスとは普段やらないこと、新しい活動にチャレンジすることだと知ることができました。


(臨床心理学科)
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