以前、食堂でご飯を食べていてふとテレビを見たら、ちょうど岸田総理が韓国に訪問しているところを中継しているところだった。食堂にあるテレビはあえて音を出していない為（その代わりに音楽がかかっている）、何かを話していても分からないのだが、テロップに「日本の現職首相としては12年ぶりに国立ソウル顕忠院 参拝」と出ていた。顕忠院は、義兵や愛国の志士・国家有功者・国軍将兵など約16万５千人の慰霊碑がある場所だそうである。私は調べるまでその建物があることさえ知らなかったが、それをわざわざ報じるということは、韓国の方にとって非常に重要な場所なのだろうと予想した。

コロナが世界中で流行していたとはいえ、12年もの長い間、現職首相が訪れなかったということは、今までの日韓関係がどれ程までに落ち込んでいたかがすぐ分かる。未解決の問題が沢山あるが、批判してばかりではなくお互いに歩み寄って解決に一歩一歩近づいていってほしいと強く思った。

先々週に母親が旅行で韓国に来た為、案内人として一緒に行動した。母親自身、旅行者がよく行くような場所を希望していたので新しい発見は少なかったが、韓屋は行ったことがなかった為、色々と感じる部分があった。事前に調べたところ、今も実際に住民がいるとのことで写真撮影や大きな声を出すことは禁止されていた。禁止事項が書いてある看板があり、スタッフの方がいたにも拘わらず外国人観光客が騒いだり写真撮影をしたりしていた為、なんとも言えない感情が湧いた。写真撮影に関しては禁止の看板がなかったので、もしかしたら良かったのかもしれないが、全ての韓屋に住所が載っている為、自分ならこれをSNSに挙げられて良い思いはしないなと考え、お土産屋の外観だけを撮り帰った。

日本は公共交通機関で静かにしなければいけないといったルールがある為、苦に感じないが、韓国や欧米は良くも悪くもそういった決まりがないので静かにするということが難しい、或いは度合いが分からないのかもしれないと考えた。ちなみに私も韓国に慣れてしまったからか、日本の電車の静かさは想像するだけで苦手になってしまった。