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学長短信

2019/04/09

学長告辞(平成31年度入学式) №14

平成から令和へと、元号の改まる記念すべき2019年の、満開の桜の花に恵まれた、この4月の良き日に、東京成徳短期大学、東京成徳大学、ならびに東京成徳大学大学院の新入生の皆さんをお迎えすることができ、たいへんうれしく思います。教職員を代表しまして、心よりお祝いを申し上げます。また、ご列席のご家族・関係者の方々にも、心からお慶びを申し上げます。
 新入生を迎えるにあたり、ご多用中にも関わらず、ご来賓の皆さまに、ご出席を賜りました。ご来賓の皆さまの前で入学式を挙行できること、教職員一同、大きな喜びでございます。誠に有り難うございます。
 
本学は、その建学の精神として、学園の「成徳」の名前の通り、徳を成す「有徳有為な人間の育成」を目指しています。「成徳」の「徳」とは、人の生き方、行動のあり方の望ましい姿を示すものであります。人の生き方、行動のあり方の望ましい姿は、時代により変化し、昔は自分を犠牲にして社会に尽くすことが望ましいと考えられていた時代もありました。しかし現代は、自分または社会のどちらかを犠牲にするのではなく、それらの調和を図る生き方や行動が望ましいと考えられております。自分も社会も、すなわち自他とも大切にするような生き方や行動を、学生生活を通じて、是非、身に着けていただきたいと思います。
 「徳を成す人間の育成」の建学の精神を、本学の教育理念として言い表したものが、「共生とコミュニケーション」です。「共生」とは、その字のとおり、「共に生きる」ということであります。世の中には、民族や国籍、宗教や性別、病気や障害、価値観や物の考え方に至るまで、いろいろと異なる人がともに暮らしております。自分と違う人を見下したり、除け者にしたりしないで、お互いの存在を認め合い、可能な限り理解や共感を寄せ、必要な助け合いをしながら生きていくということが共生の考え方です。別な言葉に置き換えるならば、「共生とは他者を尊重し、相互にプラスの関係を築くこと」と言えます。とりわけ現在世界的規模で、自分の属する集団や国を第一優先とする風潮が広がり、偏見や差別・分断が強まるなかにおいて、「共生」の精神をしっかりと学ぶことの意義は大変大きいと思います。
そして「コミュニケーション」とは、皆さんご存知のように言葉や表情・ゼスチャーなどを使い相互に理解していくことであります。「自分のことを人に分かって欲しい、認めて欲しい」と思うならば、黙って座っていないで、言葉や表情、行動で、「自分はどういう人間であるか、どのような考えや気持ちをもっているのか」を相手の人に伝えるようにしなければなりません。それと同時に、「自分も相手に眼(まなこ)を向け、耳を傾け、相手の意見を理解しようとする」姿勢も大事になります。こんにちグローバル社会を迎え、英語をはじめとする諸外国の言葉は重要なコミュニケーション・ツールとなっています。またパソコン等のICTスキルも仕事をする上で必要なコミュニケーション・ツールです。これらのコミュニケーション・ツールを在学中に積極的に身につけてください。
以上のような「共生の考え方」や「コミュニケーション力」を、学生生活を通して学び、社会に出た後において、自分も周りの人たちも、ともに幸せにすることのできるような人間に是非、成長していただきたいと願っています。
 
さてここで皆さんに、どのような学生生活を送って欲しいのか、3点お話します。
まず1つ目は、「友だちとの関係」についてです。大学は、友だちづくりの絶好のときと、よく言われます。小学校や中学生時代のオールドフレンドとくらべ、大学のニューフレンドは、お互い自立した人間関係を築きやすく、そのため生涯にわたる交友関係につながるところがあります。ことに女性は、男性とは別の形の社会的リスクを負っているので、つねに友だちと一緒に行動したり、グループで行動することが身の安全を守ることに役に立つと言えます。このように、学生時代の友だちやグループの意義・価値は、男女を問わず、どんなに強調しても強調しすぎることはありませんが、それでも、ときには一人でいること、ときには一人で行動する、ときには孤独に過ごすことが、おとなになるためには必要であることを知っていただきたく思います。なぜなら、自分一人で、この現実世界と向き合い、それに圧倒されないよう頑張る経験が、自分を確立することにつながるからであります。
また「親しき仲にも礼儀あり」と言われるように、友だちや仲間に対し、その人の心を傷つけるような言葉には注意が必要です。相手の行動スタイルや価値観・考え方・感じ方を尊重した付き合い方について、友だちや仲間との交流を通して学んでいただきたいと思います。
 2つ目は、「大学での学修の仕方」であります。皆さんは「学問に王道なし」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「学問を習得するには、楽な方法とか近道というものはなく、誰しもが努力しなければならない」という意味の言葉です。まず皆さんの学修に期待することは、大学の授業で出会うところの、ひとつひとつの新しい言葉の意味を理解するよう努力することであります。これから学ぶ新しい専門の勉強は、その分野の新しい言葉をよく理解することからスタートすることを、忘れないでください。
大学の授業は、基礎的な内容から徐々に専門的な内容に進むように配置されています。それゆえ授業に地道に取り組むことで基礎の力並びに専門の力を付けることができます。しかし、中には授業中に友だちに話しかけて、おしゃべりを始めるような学生が50人に一人くらい、います。おしゃべりをしていては、授業の内容を身につけることはできません。授業中のおしゃべりは、一生懸命に勉強しようとしている、ほかの学生並びに熱心に指導しようとする教員に対し、大きな迷惑を与えることを、是非とも理解して欲しいと思います。授業中に「スマホ」でSNSやゲームをすることも同様です。大学は、将来に向けて自分を高め自分を進歩させるために来るところであります。このように授業に丁寧に取り組んだうえで、さらに授業のなかで学んだ事柄について、自分が興味をもったことを調べ研究する形で、皆さんが学修の仕方を一歩一歩高めていくことを期待しています。
3つ目は、アルバイトのことです。家庭の事情で、アルバイトをたくさんせざるを得ない人がいるかもしれません。また社会経験の一つとして、アルバイトしてみようと考える人もいるでしょう。アルバイトして自分の力でお金を得ることの経験自体は貴重ですし、社会の中で仕事をすることは、学校の中では味わえない経験ができ、その後の人生に得るものがたくさんあります。安全・安心の確保できる仕事へのアルバイトは、お金に対する健全な考え方を作り、また社会人としての基礎力をつけてくれます。
しかし、アルバイトには落とし穴があります。はじめは学生生活の一部としてアルバイトをスタートしたとしても、お金を稼ぐことがおもしろくなり、次第にアルバイト中心の生活となって、学業そしてやがて大学から足の遠くケースが少なくありません。しばし、よく考えてみてください。学生時代のアルバイトを、そのままいくら続けても、将来のキャリアアップは望めなく、収入の増加を図ることは難しいのが現実です。学生時代のアルバイトは、必要の範囲内で行い、卒業してから後に、よく働きお金を思う存分、稼ぐように考えてみては、いかがでしょうか。
 以上、友だちとの関係、大学での学修の仕方、アルバイトについてお話をしました。新入生の皆さんは、入学を機に、これからどのような学生生活を送っていくべきなのか、自分の方針をしっかりと作ってください。

結びに、本日入学した皆さんが本学で楽しく、充実した時間を過ごされることを祈念しております。また、学業を続けるうえで困難に出会いましたら、自分一人あるいは、ご家族だけでかかえこまないで、教職員や学生相談室のカウンセラーに相談してください。みんなで力を合わせて、困難を乗り越えていきましょう。                                                                                                                                 

            2019年4月4日   東京成徳大学学長   新井邦二郎

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