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学長短信

2018/04/06

東京成徳高等学校での入学式祝辞 №12

 本学の姉妹校である東京成徳高等学校にて平成30年4月5日に入学式がありました。来賓の一人として祝辞を述べましたので、ご紹介します。

 新入生の皆さん、お早うございます。東京成徳大学の学長をしております新井と申します。本日のご入学、まことにおめでとうございます。
 ご列席の保護者、関係者の皆様方にも、お祝いを申し上げます。
 新入生の皆さんは、本日から、東京成徳高等学校の生徒として、人生の新しい頁を開きました。これから、それぞれが、仲間と一緒に、自分の「高校生活」を歩んでいくわけですが、そのなかで、きっと「若き日の悩み」をもつだろうと思います。そんなときの参考になればと思い、少しばかりお話を致します。

 みなさんは、これまで「欠点のない人間をめざせ」と言われたことがあると思います。欠点には直せる欠点もありますが、なかなか直しにくい欠点もあります。そのせいもあり、中学生・高校生になると、「自分は欠点ばかりの人間なので恥ずかしいとか、嫌いだ」という人が少なくありません。あるいは自分ばかりではなく、「人の欠点が許せない」「欠点をもつ人に我慢できない」という人もいます。

 私ごとで恐縮ですが、小学生の1年生から5年生までずっと、学校からもらう通知表に先生から「君は落ち着きがない」と書かれていました。今でいう多動の子(動きの多い子)であったと思います。低学年の頃は授業中に席を離れて教室の中をうろうろしていたり、高学年になると先生に眼を向けないで教室の中をきょろきょろ見ていたりしていたようです。そんな状況なので勉強の方はぱっとしませんでしたが、休み時間や放課後は、思う存分体を動かし、人気者でした。中学校も高校も運動部をやり仲間と楽しい時間を過ごすことができました。体を動かすことが好きなことは、小学校の先生からは「落ち着きがないと」言われましたが、私の人生には、プラスの面が数多くあったと思います。
 
 こんな体験もあり、高校生になった皆さんには、「欠点は『マイナス点のままにあらず』で、欠点はプラス点にもなること、したがって欠点をなくそうとするよりも、自分の欠点をソフトに受け止め、それをプラスになるようにすることが大切だ」ということを知っていただきたいと願っています。
 
 高校生が自分の欠点と思いやすいものの一つが、容姿や顔立ちです。以前、顔立ちにコンプレクスをもった女子高校生が外に出ていけなくて困っているという相談のスーパーバイズをしたことがあります。決して顔立ちの悪くないお嬢さんでしたが、家で何をしているかと言えば、顔のことが気になるためか、外国の「ファッション雑誌」を見ていて、モデルさんと自分の容姿を比較する日々を過ごしているとのことでした。毎日、世界のトップモデルと比較していたのでは、自分のルックスに自信を無くしてしまうのは当たり前と思いましたが、皆さんは、どうお思いでしょうか。このお話から「欠点の意識の多くは、誰と比べるかという相対比較によるものであり、比較する対象を変えれば欠点として意識されない」と考えることができます。
 
 もう一つ。皆さんは、渥美清さんという俳優はご存知でしょう。映画「男はつらいよ」の車寅次郎を長い間演じて、多くの人に笑いと感動を与えた方さんです。その映画では、これもご存知でしょうが、いつもバカなことをしている独身のトラさんが毎回、恋をして、いいところまで行くが、最後に見事に振られてしまう展開になっています。そのような役柄を、あの容姿の渥美さんがやるから、みんなが楽しめるのであって、仮に同じような世代の、例えばあの二枚目俳優の高倉健さんが演じたら、笑える場面でも笑えないばかりか、たぶん映画を見ている人が深刻な気持ちになってしまうでしょう。渥美清さんだから、車寅次郎を演じることができ、多くの人から共感を受け愛される俳優として、その生涯を送ることができたと思います。その渥美さんも、思春期、自分の容姿に複雑な気持ちを抱き、親を恨んだりしたこともあったと思いますが、三枚目の自分を活かすにはどうしたらよいのか、自分の芸を皆さんに喜んでもらえるには、どのようにしたらよいのかを考え自分の良いところを生かすよう努力されたと思います。このお話から、「欠点は、自分の良いところを生かすことでプラス点になる」と考えることができます。
 
 結論として、要は人と比較することに拘りすぎずに、「自分は自分」という気持ちの立て方ができるようにすること、そして自分のできること、自分のやりたいこと、自分がやらなければならないことなどを地道にやり続けることが、自分を生かす道であることを忘れないでください。
 
 結びに、授業の学修ばかりではなく、クラブやサークルなどの課外活動、学校祭やスポーツ大会などのいろいろな行事にも積極的に参加して、高校生として充実した時間を過ごされることを祈念しております。本日はご入学、おめでとうございます。

                                         平成30年4月5日                                                                  
                                         東京成徳大学学長 新井邦二郎

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